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額縁選びで作品の印象を変えよう!額装の基本知識を解説

絵画やポストカードなどの作品を、インテリアに美しく調和させる方法。それが「額縁を利用すること」です。また、額縁に作品を飾ることを「額装」と呼びます。
アートとインテリアをコーディネートするには、額装へのこだわりが欠かせません。当記事では、額縁選びのコツや、おすすめの額縁購入先をご紹介します。
額の役割とは?額縁や額装が大切な理由
作品と空間を馴染ませる
おしゃれな絵画やポストカードでも、額縁なしでは空間から浮いて見えることがあります。額縁は作品とインテリアを「つなぎ」「馴染ませる」役割を果たし、視線の焦点をつくります。さらに、現実世界と作品世界をやわらかく区切る境界として機能し、鑑賞体験を整えてくれます。
作品を保護する
額縁はほこり・汚れ・湿気・虫害などから作品を守り、長期保存性を高めます。前面材(ガラス/アクリル)、背板、スペーサー等の適切な選択で保護性能が向上します。
作品を引き立てる
的確なフレームコーディネートは、作品の魅力をより印象的に見せます。周囲に額縁のラインが生まれることで視線が集まり、構図や色がクリアに読み取れるようになります。
額装のやり方
より美しいフレームコーディネートのための「額装のやり方とポイント」を、今日からトライできる3ステップで解説します。
ステップ1 飾りたい場所を決める
まず、直射日光やエアコンの風を避け、湿気がこもりにくい場所を選びます。あわせて、お子さまの手が届かない安定した場所を確保し、壁掛けか置き型かといった設置方法、照明の当て方、壁色や家具との相性まで先にイメージしておくとスムーズです。
ステップ2 理想の額縁をイメージする
色や形状、素材、見付(縁の幅)、装飾性を順に検討し、あわせてマット(台紙)の有無や色・質感で作品と空間の調子を整えます(マットは主にデッサン額で使用します)。
さらに、家具や壁・床材のトーンを踏まえ、部屋全体のコーディネートとして自然に馴染むかまで確認しましょう。
ステップ3 作品や展示スペースのサイズを測る
作品の実寸(縦×横×厚み)を正確に把握し、続いて展示予定スペース(壁面の幅・高さ、周辺家具との距離)も測定します。これらを踏まえ、設置後の見え方を具体的に想定して額縁サイズを選定すれば、サイズ感の誤りによる圧迫感や物足りなさを避けられます。
額装のポイント
ここでは、仕上がりを一段と美しく見せるための要点を、初めての方にも実践しやすい順で紹介します。
①作品の性質にあった額縁を選ぶ
額縁の種類は作品の素材・厚み・表面仕上げによって変わります。額縁自体の厚み・幅・材質で、重厚/軽やか等の印象コントロールも可能です。
- デッサン額:紙作品・写真・ポスターなど薄い作品向け。必要に応じてマット(作品と額縁の間に入る台紙)を使います。余白をつくり、トーンを整え、色を加えて印象を調整できます。

- 油彩額:キャンバスやパネルなど厚みのある作品向け。キャンバス規格(F・P・M・S)に対応したラインアップが一般的。

②抑えておきたい4つの寸法

額装で把握したい寸法は基本的に四つあります。まず、設置可否やレイアウトに関わる額縁のいちばん外側の大きさである外寸法。
次に、規格サイズへの適合判断に用いる額縁内部の枠の内側サイズである内寸法。三つ目は、正面から見える開口の大きさで作品の見え方を左右する窓寸法(見え幅)。
最後に、壁面や棚など実際の設置スペースの実寸を示す展示場所の寸法です。これら四つの関係は、図で合わせて確認しておくと安心です。
③規格サイズを参考に!
日本の額縁で一般的に使われる油絵・日本画キャンバスのサイズは、規格上0号~500号まで存在しており、絵画の号数は額縁の内寸法に対応します。
キャンバスやパネルが規格サイズなら、その規格に合った額縁を選べば基本的に無加工で収まります。規格外サイズは取り寄せまたはオーダーをご検討ください。
規格サイズ(抜粋)
| 号数 | F(Figure) | P(Paysage) | M(Marine) | S(Square) |
|---|---|---|---|---|
| 0号 | 18.0×14.0 | 18.0×12.7 | 18.0×10.0 | 18.0×18.0 |
| 3号 | 27.3×22.0 | 27.3×19.0 | 27.3×16.0 | 27.3×27.3 |
| 4号 | 33.3×24.2 | 33.3×22.0 | 33.3×19.0 | 33.3×33.3 |
| 6号 | 41.0×31.8 | 41.0×27.3 | 41.0×24.2 | 41.0×41.0 |
| 8号 | 45.5×38.0 | 45.5×33.3 | 45.5×27.3 | 45.5×45.5 |
| 10号 | 53.0×45.5 | 53.0×41.0 | 53.0×33.3 | 53.0×53.0 |
| 12号 | 60.6×50.0 | 60.6×45.5 | 60.6×38.0 | 60.6×60.6 |
| 15号 | 65.2×53.0 | 65.2×50.0 | 65.2×45.5 | 65.2×65.2 |
| 20号 | 72.7×60.6 | 72.7×53.0 | 72.7×50.0 | 72.7×72.7 |
| 25号 | 80.3×65.2 | 80.3×60.6 | 80.3×53.0 | 80.3×80.3 |
| 30号 | 91.0×72.7 | 91.0×65.2 | 91.0×60.6 | 91.0×91.0 |
| 40号 | 100.0×80.3 | 100.0×73.0 | 100.0×65.2 | 100.0×100.0 |
| 50号 | 116.7×91.0 | 116.7×80.3 | 116.7×72.7 | 116.7×116.7 |
| 80号 | 145.5×112.1 | 145.5×97.0 | 145.5×89.4 | 145.5×145.5 |
| 100号 | 162.0×130.3 | 162.0×112.1 | 162.0×97.0 | 162.0×162.0 |
| 120号 | 194.0×130.3 | 194.0×112.1 | 194.0×97.0 | 194.0×194.0 |
| 150号 | 227.3×181.8 | 227.3×162.1 | 227.3×145.5 | 227.3×227.3 |
| 200号 | 259.1×193.9 | 259.1×162.1 | 259.1×145.5 | 259.1×259.1 |
| 300号 | 291.0×218.0 | 291.0×197.0 | 291.0×182.0 | 291.0×291.0 |
| 500号 | 333.3×248.5 | 333.3×218.2 | 333.3×197.0 | 333.3×333.3 |
初心者におすすめの額装店5選
近年はニトリやIKEAなどのインテリアショップや雑貨店などのように、額装をお願いできる店舗が増えてきました。
しかし、額装はハードルが高そうと感じている方にぜひおすすめしたいのが「額装店に相談に行くこと」です。
額の種類も豊富で、作品を引き立てるための様々な額装の方法や、取り扱いアドバイスなど効果的な額装のノウハウを教えてくださいます。
当記事では額装初心者の方に向けて、額装の相談に乗ってくれる店舗や、すてきなフレームを多く取りそろえているショップを5つご紹介します。
世界堂
アート・画材の大型専門店。額縁はもちろん、マットや用具も豊富で店頭相談がしやすいのが魅力。
住所:東京都新宿区新宿3-1-1 世界堂ビル1F~5F(新宿本店)
電話:03-5379-1111
ジンプラ
世界中からセレクトしたデザイン性の高い額縁を多数取り扱い。店員の額装サポートも丁寧。
住所:東京都渋谷区恵比寿西2-11-11
電話:03-3461-0401
マルニ額縁画材店
標準のデッサン額・油彩額からオーダー額まで幅広く対応。初めてでも希望に沿って提案してくれる。
住所:栃木県足利市久松町141(ネット注文可)
電話:0284-42-8311
kurogane額縁
「額縁を通してアートを身近に」を掲げ、初心者に寄り添う接客が魅力。初めての額装相談に最適。
住所:東京都台東区上野桜木1-8-6 メゾンド関1階A号室
電話:03-5834-8477
larson-juhl(ラーソン・ジュール)
世界最大級の額縁・額装ブランド。欧米テイストのラインが充実し、日本の住空間にも合わせやすい。
住所:神奈川県大和市福田6-8-2(全国に取扱店あり)
電話:046-215-2061
手元にある絵画作品を額装してみよう
額縁のデザインやマットの色合いなど、さまざまなチョイスと組み合わせを楽しめるのが額装。大切な作品を美しく見せ、保護する重要なプロセスでもあります。本記事では額装の基礎知識と、初心者が相談しやすい店舗をご紹介しました。額装の魅力を知ることで、アートのある暮らしがもっと身近になります。
ただいま、あなたの街のおすすめ額縁店を募集中!お近くでおすすめのお店があれば、ぜひご一報ください。




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