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世界の「今」に出会える 国際アートフェア“Tokyo Gendai”へ行ってみよう!

世界の「今」に出会える国際アートフェアTokyo Gendai。
第3回となる今年は、2025年9月12日(金)13日(土)14日(日)(VIPプレビューおよびヴェルニサージュは11日(木))にて、パシフィコ横浜で開催されます。
1万平米の広々としたスペースに、世界基準でセレクトされた国内海外のギャラリー約70軒が出展。
滅多に見られない一流のギャラリーやアート作品が一堂に集まり、今注目されている現代アートやアーティストと出会える絶好の機会です。
アートをダイナミックに体感できるインスタレーションやトークイベントなど多彩なプログラムもあり、初心者の方からコレクターの方まで、肩の力を抜いて楽しめる、国際アートフェアTokyo Gendai。
ここでは、「初心者のためのTokyo Gendaiの楽しみ方」をまとめて紹介します。
■Tokyo Gendaiならではの魅力

数ある国内のアートフェアの中でも、Tokyo Gendaiならではの魅力といえば、海外ギャラリーの出展が多いことにあるでしょう。
出展者の5割強が海外のギャラリー、そのなかで、半分が東洋。半分が西洋の割合になっています。
また、Tokyo Gendaiは国内外の様々な機関と積極的にパートナーシップを結んでおり、海外のお客様の誘致にも力を入れていることから、圧倒的に海外のお客様が多いのも魅力の一つです。
今年は特に、あいちトリエンナーレや国立新美術館など、Tokyo Gendaiと様々なコラボレーションが充実しています。
日本の方には、海外の著名なギャラリーやアーティストに出会える機会になり、海外の方には、日本のギャラリーやアーティストに出会える貴重な機会となることでしょう。相互作用的コミュニケーションができる場所として、どなたでも楽しめることが最大の魅力です。ローカルとインターナショナルのミックスを心地よく楽しむことができます。
■Tokyo Gendaiどのように回るのがおすすめ?
今年の出展ギャラリーは、3つのセクターに分けて紹介されています。
- Galleries(ギャラリーズ)は、著名ギャラリー
- Hana ‘Flower’ は、若手〜中堅の作家もしくはギャラリー
- Eda ‘Branch’ は、アジアに根ざした作家や企画展
限られた時間内でTokyo Gendaiを楽しむために以下のような回り方を試してみてはいかがでしょうか?
まずは、入り口を入り、目の前にあるメインロードに広がるGalleries(ギャラリーズ)。
世界的に著名なギャラリーの、Pace Gallery、Almine Rech、Sadie Coles HQ、Galerie EIGEN+ ART や、日本を代表するタカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリーなど、著名なギャラリーが集まっているので、一度は立ち寄ることをおすすめします。
世界的な作品を見るという点でも、有意義な時間となるでしょう。
続いて、奥のブースに展開されるのは、Hana ‘Flower’。 若手に焦点を当てた作品が多く、比較的価格帯が抑えられており、初めての作品購入を検討されている方や若手作家の発掘を楽しみたい方にはおすすめのセクターです。若手作家の躍進を新鮮に感じられるでしょう。
そして、向かい側のセクターがEda ‘Branch’。海外のギャラリーが多く出展しており、アジアの歴史的、文化的に重要な作家の作品が紹介されています。
会場の随所に点在するのが、Sato ‘Meadow’ 。
大規模なインスタレーションや彫刻作品に圧倒されることでしょう。今年は12もの、見応えあるインスタレーションが披露されます。
例えば、Bernar Venetのライブパフォーマンスでは、会場の壁面を舞台に重力で作品を生み出す試みが行われます。塗料をまとった鋼鉄のバーが用いられ、彫刻とペインティングの間のようなパフォーマンスが繰り広げられます。作家の身体の動き、ジェスチャーやバーの角度、素材の特性、塗料の流動性によって形作られる作品に注目です。作品タイトルは、『The Steel Bar and the Pictorial Memory of the Gesture』。線と素材、形態と力、理性と有機性との間にあるダイナミズムの探究を継続する作品です。
また、1日に1個のピースを作り、開催4日目の完成を試みるデンマークのアーティストCarl Krullのパフォーマンスも必見。大判の紙に、インクを用いて描かれるダイナミックな地形的フォルム。来場者は、日々変化する生きた作品の創造過程をリアルタイムで体験することができます。

そして、見逃せないのが、特別展示のTsubomi ‘Flower Bud’。
日本の女性に焦点を当てたセクターで、社会課題に焦点を当てた展示を毎年行っています。
今回は、日本の女性アーティスト、中井波花(TARO NASU)による陶芸作品や、三嶋りつ惠(ShugoArts)によるガラス作品, 異なるキャリアステージのアーティストによる作品が展示されます。
作品の選定は、Tokyo Gendaiのフェアディレクターである高根枝里が担当し、学芸プロデューサーであり、2027年に開館予定の小田原文化財団江之浦測候所甘橘山美術館の準備室室長である橋本麻里と協力して行われました。
それぞれの素材における、伝統的な工芸の技法を使って現代作品に落とし込んでいる点が、注目ポイントです。
どうぞお見逃しなく。

そのほか、Tokyo Gendaiはアートを見つける・購入する楽しみの提供だけでなく会期中、別室で、パブリックプログラム、有識者によるトークイベントなどもか開催しています。
▽参照
日にち | 時間 | プログラム |
9/12(金) | 12:00~ | アートトーク セッション① 写真と現代美術の対話 藤岡亜弥(写真家) Pauline Vermare(ブルックリン美術館写真キュレーター) 光田ゆり (多摩美術大学教授) |
9/12(金) | 14:00~ | アートトーク セッション② アートと自然の対話 Marcin Rusak(アーティスト、デザイナー) 石田潤(『GQ JAPAN』 ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテント) |
9/12(金) | 16:00~ | アートトーク セッション③ 千住博と佐藤卓が読み解く日本美術十選 千住博(日本画家) 佐藤卓(グラフィックデザイナー) 倉森京子(NHKエデュケーショナル チーフプロデューサー) |
9/13(土) | 12:00~ | アートトーク セッション④ アジア美術の未来 手塚美和子(Dib Bangkok ディレクター) 三木あき子(直島新美術館 館長、ベネッセアートサイト直島 インターナショナルアーティスティックディレクター) 斯波雅子(ブルックリン実験アート財団 共同創設者・エグゼクティブディレクター) |
9/13(土) | 14:00~ | アートトーク セッション⑤ Tsubomiー Polyrhythm 青木千絵(金沢美術工芸大学 工芸科 准教授) 中井波花(作家) 橋本麻里 (特別展「Tsubomi ‘Flower Bud’」アドバイザー、学芸プロデューサー) |
9/13(土) | 16:00~ | アートトーク セッション⑥ 現代美術と脳の対話 蜷川実花(写真家、映画監督、現代美術家) 中野信子(脳科学者) 服部今日子(ペースギャラリー副社長) |
9/14(日) | 12:00~ | アートトーク セッション⑦ 成長するアジア、拡張するアートフェア Seokho Jeong(ART BUSANディレクター) Shuyin Yang(Art SGフェアディレクター) 高根枝里(Tokyo Gendaiフェアディレクター) |
9/14(日) | 14:00~ | アートトーク セッション⑧ 戦後日本美術コレクションの歩み Vivian Li(ダラス美術館 The Lupe Murchison現代アートキュレーター) 西沢碧梨(インディペンデント・キュレーター、アドヴァイザー) 神谷幸江 (国立新美術館学芸課長) |

■シャンパーニュバーにもお立ち寄りください!
会場でぜひ立ち寄りたいのが、オフィシャルスポンサーペリエ ジュエのシャンパーニュバー。
1811年の創業以来その高品質なシャンパーニュと、エミール・ガレの描いたジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)をモチーフとするボトルによって、“シャンパーニュの芸術品”と称される ペリエ ジュエ。
100㎡の特設ブースにはこれまでのアートコラボレーションの歴史をまとめたアーカイヴスペース、アートハントの合間に立ち寄れるシャンパーニュバーが設置されています。

また、アーティストMarcin Rusakとのコラボレーション『Plant Pulses (植物の鼓動)』がTokyo Gendaiで世界初公開されます。シャンパーニュで一息入れながら、アートを優雅にお楽しみください。
上記は、あくまで参考に。回り方に正解はないので、会場入り口に掲示されているマップまたは、入り口で配布されるマップで確認し、興味のあるところから回られるのが良いかと思います。
■今年の傾向は???
最後に、今年の傾向や、気になる各セクターの日本語のネーミングの背景、初心者に向けたアートの楽しみ方についてアドバイスを、フェアディレクターである高根枝里さんに伺いましたのでご紹介します。
「一概には言えませんが、自然と調和している作品が多い印象です。
ギャラリーの作品展示の傾向という点では、自然と対話している作品や、木彫りの彫刻などが多いと感じています。
グローバルなアートシーンの潮流として、サステナビリティ——環境や社会を意識したアートが広がっていることがわかります。」
■気になる各セクターの名前の由来とは
『咲いた花見て喜ぶならば咲かせた根元の恩を知れ』
という言葉があります。
アートフェアは、色んな人の協力のもと出来上がっています。
スポンサー、ギャラリー、運営団体、行政、鑑賞者、プレスなど様々な方の協力なしでは開催することができない。
そんな感謝の思いを込めつつ、また、日本は70%以上森でできていること、自然との調和を大事にしてきた文化である背景をふまえ、セクターの名前をつけました。
■フェアディレクターより、初心者の方へのアドバイス
「Tokyo Gendaiは、10,000平米の開放感のある会場で、自由に楽しめる雰囲気があります。
また、体験型のインスタレーションや、アートプロフェッショナルの話を聞けるトークなどのパブリックプログラムもあるので、多角的に現代アートを楽しむことができます。
何よりもご自身で楽しんでもらうことが、一番大事だと思いますので、まずは、1点お気に入りの作品を見つけてみよう!という気持ちで会場を巡ってみてください。
気になった作家さんやギャラリストの方に話を聞いてみるのもおすすめです。みなさん丁寧に説明してくださいますよ。出展ブースに作家さんがいらっしゃるタイミングもありますので、ぜひ、話しかけていただければと思います。
また、日本のギャラリーが海外のアーティストを、海外のギャラリーが日本人の作家を展示しているのを見ると、お互いに文化を交流し合っていることを実感し、とても嬉しくなります。
そこも、面白い見どころだと思います。
アートフェアならではの迫力は、会場でないと味わえません。
ボリューム満点のプログラムになっていますので、ぜひ楽しみながらご覧ください。」

■開催日時
VIPプレビュー
2025年9月11日 (木) 2:00 PM – 5:00 PM
ヴェルニサージュ
2025年9月11日 (木) 5:00 PM – 8:00 PM
一般公開
2025年9月12日 (金) 11:00 AM – 6:00 PM
2025年9月13日 (土) 11:00 AM – 6:00 PM
2025年9月14日 (日) 11:00 AM – 5:00 PM
※最終入場は閉場30分前
■会場
パシフィコ横浜
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
最寄駅 みなとみらい線 みなとみらい駅 / JR桜木町駅
羽田空港から直通リムジンで約40分
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