「きみ、アート買ったことある?」|枝澤佳世のアートライフエピソード
アートのある暮らし協会代表理事、枝澤佳世のご紹介をさせていただきます。
音楽に夢中だった10代から一転、アートの世界へ
吹奏楽が盛んな地域に育ったせいか、十代は体育会系なみにフルートに打ち込み、音楽の道を歩むものばかりと思っていました。
しかし、もともと美術に興味がそんなにあったわけではないのに、不可能を可能にもする”アートの力“に魅せられ、今日まで、アート普及活動に努めています。
いまだに人々の人生に様々な影響を及ぼす”アートの力“への関心はつきません。
音大卒業後は美術専門の出版社へ
出産するまでは、美術専門の出版社で、営業企画のマネージャーの立場で、日本の芸術文化の魅力を国内海外で広めるという崇高な事業に携わらせて頂き、バリバリ仕事にうちこんでいました。
主な仕事は、政府機関や民間団体に協力をあおぎ、アートの力で社会の様々な課題を解決することを掲げ、日本のアーティストの創作活動支援につなげる展覧会やイベント、出版物、アートグッズの企画を構築しディレクション。
振り返れば、海外15か国を飛び回り、50企画以上もの美術展やセミナーイベントを開催し、5000人以上ものアーティストや、多岐にわたる有識者、何万人もの一般鑑賞者の方々との出会いを得ていました。
不可能を可能にし、やりたいことをどんどん実現することができていました。
アートの力が数々の出会いを引き寄せる
なぜ、実績もない無名の私が、様々な国で、一国の大統領に会いたいといえば会え、世にも有名な芸術家、例えばゴーギャンの御子息に会いたいといえば会え、国際連合本部などの世界有数の機関が力を貸してくださったのか!?
それは、“アートの力で世の中をよくしていきたい!”という“志”ひとつでなせた業としか考えられません。
アートに理解のある政治家や起業家が勝ち、アートを取り扱うことのできるコーディネーターや建築家、施設や店舗の仕事のレベルが高く認知され、日本では見向きもされない無名のアーティストの作品の前で少女が涙を流す。
そんな光景を目の当たりにし、「アートの力ってなんだろう?」という永遠のテーマを抱え、志事をしてきた成果だと思っています。
グローバル人材こそアートの教育を!
そして、その機会に遭遇するたびに思うのです。
グローバルな現代を勝ち抜くためには、英会話と同様、アートを身に着けておいたほうが得である!と。
世界共通語であるアートはすごい!と。
もう、アートはお金持ちや、アートの専門家や美術愛好家のみが楽しむものではない。
どなたの人生にも身近にあり、アートから様々な恩恵を得ることができること、そして、その方法を簡単に身に着けることができることを知って頂きたいのです。
衝撃な言葉、「きみ、アート買ったことある?」
しかし、何を隠そう、そんな美術に携わる仕事をしていた私も、なかなかアートを身近にできなかったひとりなのです。
あるギャラリストに、「アートの魅力ってなんでしょうか?」と取材をした際に、「きみ、アート買ったことある?」と尋ねられました。
え?
私は、自分をモデルに描いてもらったり、作品を頂いたことは何度もありますが、買うという行為をしたことがなかったのです。
「ないです」と答えると、「じゃあ、君にはいくら説明しても、アートの魅力はわからないよ」と言われました。
何十年も美術業界で仕事をしてきたのに、それはないだろうと思いつつ、アートを購入した体験がないという事実がありました。
自分でアートを買ってから世界が広がった
それからです。私は、アートを購入するということがいかに難しいかという体験をします。
どういう視点で作品を探せばいいのか?どこで、作品を探したらいいのか。
銀座にはギャラリーや画廊、古美術商含め200以上もあります。銀座のギャラリーを回るだけでも大変で、なかなか気楽に入れるところでもなく、なぜかアートをみるのにストレスも感じ、入れたとしても、このギャラリーで購入しても大丈夫なのか?この作品を買っても大丈夫なのか?と心配になる始末。
一番ショックだったのは、私自身が、どんな作品が好きなのか、どんな作品を欲しいのか?自分でわからなかったということです。
そう、私は、わかっていると思っていましたが、わからないことだらけで、なかなか作品を買えなかったのです。
さらに、美術に携わってきた私でさえこんなことになっていれば、ほとんどの方がこの状況に陥るであろうと。
これでは、アートを身近に。と仕事をしていましたが、これは大変難しいだろうなと思いました。
私は、苦しんだはてに、やっと身近にアートを楽しむライフスタイルということを初体験することができたのです。
その体験を通じ、私はどれだけ賢くなれたことでしょう!?
どれだけ大きくなれたことでしょう!?
アートから人生を学べることを初めて知ったのです。
そのことを私は、20年もかけてやっと気づくことができました。なぜこんなに遠回りをしてしまったのでしょう。
もちろん、まだまだたくさんの課題はありますが、もっともっとアートに磨かれて、格のある女性になりたいと思っています。
ただ知らなかっただけで・・・
ただ知らなかっただけで、アートの本当の魅力を体験できないのは、かなりもったいない。
ただ知らなかっただけで、誤解が進み、アートを遠ざけてしまっているひとがたくさんいらっしゃると思います。
アートの魅力や恩恵を体験することができなければ、アートを本当の意味で身近に楽しむことはできません。
では、どうやったら、身近に届けることができるのでしょう。
協会設立へ
そんな私の経験をもとに、遠回りをせずに、より効果的に、誰でも恩恵を得ることができるアートのある暮らしのノウハウをたくさんの方にお届けしたいという思いで、2013年12月に、「一般社団法人アートのある暮らし協会=ART LIFE STYLE ASSOCIATION」を立ち上げました。
一般社団法人アートのある暮らし協会とは
「誰もがアートを身近に楽しめる豊かなニッポンへ」という理念を掲げ、 日本全国のアートのある暮らし普及へ向けて活動をしています。
具体的には、アートのある暮らしをはじめてみたい方、また、アートをビジネスやプライベートに活用したい方に、アートの力を活かした1ランクアップのライフスタイルを手にするための情報、知識、スキル、人脈、環境などを一気に身に着けることのできるカリキュラムやサービスを提供しています。
思い起こせば、私が心から敬愛する有識者やアーティストの方々などが、私のような者に、たくさんの貴重な教えやメッセージを下さっていますが、語り継ぐことなく、この世を去られてしまっていることを、何度も後悔し、“伝承する”という行為を尊重し、取り組んでいます。
いまでは、志を同じくする仲間が全国各地に約70名。
アートのある暮らしを提案・普及するプロフェッショナル=アートライフスタイリストという人材が、アートのある暮らしの魅力や恩恵の実証例を研究し、自分の得意分野、専門分野をいかし活躍しています。
アートの力を人生に役立て、真の豊かさを楽しむ人たちがあふれる豊かな社会の実現に貢献していきます。
枝澤佳世のプロフィール
一般社団法人アートのある暮らし協会代表理事 アートライフスタイリストプロデユーサー
1993年より美術業界に入り、“アートの力”を社会に提供することを目的に、美術展やイベント、出版物やアートグッズの制作など様々な企画を立ち上げ、のべ5000人以上のアーティストの発表の場を世界各国でプロデュース。
なかなかアートが人々の生活に身近にならない日本の現状を目の当たりにし、2人目の育休空けに、“アートが好き”を活かし、生涯自分らしく働くことのできるビジネススタイルを社会に提供したいと、2013年12月17日協会を設立。
これまで培ってきたアートにまつわる有識者とのご縁や環境、そして、自分自身の長年アートを身近に楽しめなかった苦い経験をもとに、誰でも遠回りをせずにアートのあるライフスタイルを身に着け、お気に入りのアートをゲットできるカリキュラム「アートライフスタイリング」を開発。
現在、 “アートのある暮らしの魅力や恩恵”を研究しながら全国各地で、「アートライフスタイリング講座」、「アートライフスタイリスト養成講座」を開講中。
アートのあるライフスタイルを提案する人材「アートライフスタイリスト」の活動支援に努めている。
広島県出身 当然カープ女子 二児の母
アートライフスタイリストとは?
アートの力を活かしたライフスタイルを提案、普及する人材です。
アートは好きだけど、アートのある暮らしになかなか一歩をふみだせなかった経験を、このプログラムを通じて克服したからお力になれます。アートのプロではないところが強みでもあります。美術教育を受けなくてもアートを自然と楽しむことができるコツを、私たちは誰よりもわかっているからお力になれます。
そして、何より、このプログラムを体験した多くの方々が、これまでの人生になかった大きな変化を体感されています。
”アート”を提案するではなく、”アートのある暮らし”を提案普及する人材がこの国には必要です。
アートのある暮らしは、豊かな心を育む、美しいひとを創る、美しい社会をつくる。
このことを確信し、このライフスタイルの普及に努めたいと思っています。
2017年02月08日掲載
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