日本での子育てにはアートが必要!
アートライフスタイリストの勉強を始め、アートを暮らしに取り入れたことで、10年以上も育児と家事にかかりきりっだった私や、家族の生活に様々な変化がありました。
私自身が自分の内面に気づき、今後の生き方を考えるきっかけを得たことは大きな財産ですが、子供のポシティブな変化を目の当たりにしたことから多くのことを学べました。
娘達は、小さい頃から工作や絵を描くのが好きでしたが、美術館やギャラリー巡りをして、様々なアート作品に触れることで「この色はどうやって出すのか?」「作り方はどうなっているのか?」と細かなところまで関心を寄せるようになりました。
また、どういったアート作品が好きか、嫌いかといった事も自分で意識するようになり、創り出した作品(絵、作文、工作)を通して自己表現がしっかりと出来るようになったように思います。
そんな娘たちの成長を感じ、今年は、私一人ではなく、家族でアートフェアに参加することにしました。
アートフェアで、様々なジャンルのアートに触れることで、子供達がどう反応するのかに興味があった私。
その日は台風のような大雨だったこともあり、娘達は行くことが面倒臭そうでしたが、「ママのためにお願い!なかなか取れないチケットなんだよ〜」(実際はウェブからチケット購入が簡単に出来ます)と話をして、イヤイヤながらも一緒に行ってもらいました。
会場に着くと、小さなキューブ状になったギャラリーが、大きな会場にまるで迷路のようにひしめいていました。
この巨大なアート空間に娘も私も圧倒され、最初は1つ1つのブースを丁寧に見て感想を言ったりしていましたが、しばらくしてすごい数のギャラリーがあることに気が付き(その数140ギャラリー)、”娘達の集中力がきれないうちに全ブースを回り切らなければ!”と、次女の手を握り、早足で会場を見て回りました。
しかし、不思議なことに、「疲れた、早く帰りたい、お腹すいた〜」というわりに、「これ見たい」「こっち行ってみたい」「これ好き!」「これ気持ちわるい」「これ欲しい!」「いくらなの?」と、興味を持った作品があれば足を止め、自から近づきじっくり鑑賞している娘の姿に、私たちは驚きました。
大人は、有名な作品や著名なギャラリー、話題のアート作品などに目が向いてしまいがちですが、自分の感性で、純粋にアートを楽しんでいる子供から、大事なことを教わったような気がしました。
アートフェアでは、巨匠級の近代アート、現代アート、骨董品、器、刀、竹細工、書など様々なジャンルのアートが一堂に紹介されています。なかなか一堂に全ジャンルを見れる機会もないので、子供たちにリアルに教えることができたいい機会になりました。また、子供たちにたくさんの現代アートに触れさせることができたことにも満足しています。なぜならば、”正解がない現代アート”に触れることで、親子関係を良くし、ひいては育児を助けるツールにもなるからです。
私は、一時期アメリカで子育てをしていた事があるのですが、アメリカでは子供を無条件に褒めてくれます。学校の先生だけでなく、レストラン、玩具屋さん、スーパーの見知らぬ人までもが子供たちのことをとにかく褒め、認めてくれます。選んだものは「Good choice!」とか、大した事をしてなくても「Good try!」とか、なんでも褒めてくれるので、親子ともにストレスフリーな日々を過ごしました。
それに対して、日本では模範通り、社会が求める正解に子供を照らし合わせて「良い子」「悪い子」と判断しているような気がして、帰国した当初は子供と電車で出かけるだけでも気疲れしていました。
また、学校に入学すると、試験の点数や締め切り厳守、忘れ物の有無などの生活態度までが評価の対象となるので、親も必死です。
現代アートにおいては真逆な発想で、正解がないので、どんなに奇抜でも、どんなに不思議でも、大多数に指示されなくてもそれが作品として成立し、良いと思った人がいれば驚くほど高額で売れたりしているのです。
親子が同じアート作品を見ても全く違う意見だったり、はたまた共感だったりします。「そういう見方があるのね」とか「私はこう思ったよ」と、自由な意見を親子で交わし認めあう事が出来るので、自己肯定感を育んだり、親子の会話が増え、信頼関係を築く良いツールになるのです。
以上、我が家のアートフェアの体験記、そしてなぜアートが子育てに役に立つのかをお話させていただきました。
来年も、再来年も家族で参加し、どのような心境の変化があるのかを楽しみ、引き続きアートのある生活を楽しんでいきたいなと思います。
参考までに我が家の姉妹が気に入った作品をご紹介します。
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この記事を担当したアートライフスタイリスト
「ママが変われば家庭も社会も変わる!」を理念に様々な活動を展開している二児の母。
大学卒業後C S R(企業の社会的責任)普及を目的とした国際団体で幅広い業務に携わる。その後、外資PR会社に転職。PRコンサルタントとして、国内外の大手企業や国際団体の海外・国内広報を担当。結婚を機に退職し、米国に夫の仕事のため家族で1年間滞在。育児をしながら、フラワージャパン主催の「ビジネスリーダーのための生け花展」のPRサポートを5年間担当し、日経新聞や専門媒体に掲載される。
幼稚園お受験を2度経験し、娘の通っていた幼稚園ではPTA会⻑を2年近く務める。時代に合った保護者会活動を目指し、ママ達の負担を大幅に軽減し、多くの家庭に精神的体力的な余裕を生み出す。
2018年に戶建て住宅を建てる。こだわりのキッチンは、REAL KITCHEN & INTERRIOR に掲載される。また、キッチンメーカーが選ぶ素敵なキッチンを実現した10人の一人に選ばれる。
アートライフスタイリスト・マスター資格、インテリアコーディネーター資格を取得。 今後は「ママの暮らしを豊かにする」をコンセプトに、インテリア、アート、料理に関する情報発信やビジネスを展開し、ママ達を元気にしていきたいと考えている。
一般社団法人アートのある暮らし協会
「誰もがアートを身近に楽しめる豊かなニッポンへ」という理念を掲げ、 日本全国のアートのある暮らし普及へ向けて活動をしています。
アートの力で、1ランクアップのライフスタイルを手にするための情報、知識、スキル、人脈、環境などを一気に身に着けることのできるカリキュラムやサービスを提供しています。
2021年04月05日掲載
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