ストリートアートの提案事例
【ストリートアートの提案事例】
アートに凝縮されたメッセージを活かした空間づくりとは。
九州でご活躍中のアートライフスタイリスト堂上多麻美(株式会社エトレクルールデザインオフィス代表)さん。
”最初にアートありきで、空間のコンセプトを作るのが一番ですよ!
やっぱり完成度が高いと思います。”
と、おっしゃっています。
AppleやNikeのグラフィックデザインを手掛けるいま注目のアーティスト、リカルド・ゴンザレス氏の作品を、お客様にご提案された事例についてお話しを伺ってみました。
Q、今回、お客様のご要望はどのような案件だったのですか?
立地、集合住宅併用、建築とデザインにもある程度制限があった中、「海の見えるリゾートホテルのような家にしたい」とのことでした。
Q、なぜ、アートを提案したいと思われたのですか?
当時の設計担当者から頂いた設計途中の図面は、昔鉱業が栄え山間の小規模市街地に建つ、収益物件を兼ねた集合住宅併用で、その一部を3層のメゾネットとしてリゾートホテルのような自宅にする計画でした。
図面には屋上バルコニーにジャグジー、室内にサウナも配置されていましたが、建築予定地を下見し、海辺のリゾートライフを体感するのに居住スペースとバルコニーに様々の要素を織り交ぜる必要があると感じました。
そうした中、お客様との会話で、インテリアについていくつかのご要望があり「おしゃれであれば費用をかけずそれっぽければいい」とのことでしたが、企業オーナーとして大躍進中であったことと、おおらかで身近な人々との楽しさを求めておられる様子がよく垣間見えたので、周辺の条件や建築、おしゃれなリゾートを演出するビジュアル構成よりも、もっとお客様に踏み込んでアートを中心にしたインテリア計画を勧めてみる事にしました。このようなお客様だからこそ、アートを身近にしていただき、その効果を実感してほしかったのです。
▲建築イメージ資料
Q、もともとお客様からアートを入れて欲しいとの依頼はなかったと!どのようにアートをご提案されたんですか?
インテリア計画の初めに「アートから決めませんか?」
とお勧めしました。
アート体験は未体験であったお客様は、
「アート?どうしてですか?」とのリアクション。
立地的に、田舎で、新幹線が通るような場所であり、リゾートホテルのような自宅の実現には、環境的にもかけ離れている事実があること。それを、家具などでデザイン的に対処することも可能だけれども、コンセプト的にも非常に弱い。ソフトの要素で調整した方がいい。と、アートを提案しました。アートを入れることで、テーマ性がグッと明確になるとをお伝えしたのです。
「アートを入れることで、全て解決しますから。」と。
すると、お客様自身も、予定されていなかったプロセスだったので驚かれていましたが、冒険心がわいたのか、「まあ、いいですよ」とご承諾いただきました。
→それは、嬉しいですね。お客様から、格別な信頼をえていらっしゃるんですね!
Q、なぜ、ストリートアート、リカルドさんのお作品をおすすめされたのですか?
▲リカルド・ゴンザレス氏「It’s a Living」 の提案で物件テーマを抽出
引用元:https://hpgrpgallery.com/jp/tokyo/221/
リカルド氏はメキシコの出身。祖父の古い筆跡に魅せられフォントデザインをカナダの大学で学び、NYで活動しているフォントデザインのアーティストです。
作品と物件でイメージしたのはマイアミのおおらかでリッチなリゾート地。
リゾートホテルの非日常的な空間デザインをそのままコンセプトにするのではなく、ストリートを気軽に歩いているようなフリースタイルでカジュアルなライフスタイルをアートに抽出し、リゾート地に所有する親近感とプライベート感のある別邸というねらいを込めて、リカルド氏の作品が最適だと思いました。
また、リカルド氏の作品は海辺を連想させる作品ではありませんが、スプレーで描かれたフォントデザインが、いたずらのような遊び心と知的な作業によって美しく形を変えたストリートアートのインスピレーションが、お客様が家族や仲間とカジュアルでリッチな時間を過ごしていく中で、プライベートを謳歌し、事業の躍進へもつながるのではないかと思ったのです。
その意味では、リカルド氏のアートはカジュアルでおしゃれで品格もあり、初めてお会いした時の要望とお客様の人物像を考えるとバランスがいい作品です。
Q、おすすめして、お客様の反応はいかがでしたか?
作品を画像でご紹介したところ、とても好感触でした!
個展の開催も間近でしたので、下見して作品を確かめることができました。お客様には、物件ができる前に、先に作品を購入頂くことを後押ししました。お値段が上がる可能性もあると思いましたので。
Q、今回、オーダーですよね?その後、ギャラリーとはどのようなやりとりをされたのですか?
アーティストとテーマが決まった後は、個展会場に行って直接ギャラリーと交渉しました。
「リカルド氏の作品がなければ、この家が完成しないので、ぜひ前向きに検討をお願いしたい」としっかり熱意を伝えました。(笑)
しばらくして、リカルドよりご快諾いただけたとのこと。いやあ、嬉しかったですよ〜。
それからギャラリーを通じて、色やワード、大きさ、形、値段などオーダーの内容を打合せしました。
ワード選定はお客様のご希望で「Utopia」。単語ではなく、文章でもいいと伺っていたので、「Utopia is a real」で再設定しオーダーしました。
”お客様の描く理想世界を今と将来にわたって現実のものにする!”という意味を込めたのです。
これが、その作品です。まだ、物件ができていないので、飾れていないのですが・・・。(現在建物は建築中で完成は春以降)
▲実際の作品
Q、堂上さんは、いつも積極的に、アートをお客様にご提案されていますよね。今回のお仕事はいかがでしたか?
NYから作品が届いて検品した時は、リカルド氏のエネルギーとお客様の思いが融合した作品にとても嬉しくなりました。もちろん、お客様も早く新居に飾りたい!と楽しみにしていらっしゃいました。
その後の設計やインテリアの構成は、アートのイメージを活かすことができ、建物は集合住宅併用ではなく、大きな中庭と水盤のある住居専用になりました。作品は、外部のお客様や仲間が出入り可能な自室に飾られる予定です。
作品のインスピレーションが自由でポジティブな時間を演出し、集まる人で共有されて、事業展開とプライベートの充実にいい刺激を与えてくれることでしょう。
いま、リカルド氏の作品価格は、オーダー時より上がっていて、もう、納品時と同じ条件では発注できない価格になっているんです。早く作品を購入しておいてよかったです。
世界の期待が高いアーティストの作品が、お客様にとって初めてのアートとなることに、私は喜びを感じていて、非常に価値のある仕事ができたと満足しています。今から完成が楽しみです。
→堂上さん、貴重なご意見、ご感想をありがとうございました!
It’s a living (Ricardo Gonzalez)
「It’s a living.」 生きている、生きるということ、または人生とも訳せるかもしれないこの言葉を自身のシグネチャーとするアーティスト、リカルド・ゴンザレス。 Itʼs a livingはリカルド・ゴンザレスを表現するフレーズにとどまらず、彼の哲学とも言えます。美しく、シンプルな書体で描かれるリカルドの作品は、巨大なスケールの壁画や、世界規模のブランドのロゴや広告、またストリートで見かけるステッカーまで様々な形で発表されています。 メキシコ出身、ニューヨーク在住のグラフィックデザイナー、アーティスト。 レタリング、タイポグラフィー、カリグラフィーや書体デザインを得意とする。 少年時代、祖父の古い筆跡に魅せられ、カナダのモホーク大学でグラフィックデザインを、ニューヨークのクーパー・ユニオンで書体デザインを修める。 カナダ、メキシコで活動した後、ブルックリンに拠点を移して活動している。 主なクライアントに Apple, Nike, Google, Toyota など多数。
◆九州でアートライフスタイリストとしてご活躍中の、
堂上多麻美さんへのお問い合わせ、ご相談はこちらから◆
↓
https://www.alsma.jp/event/3079/module/booth/84249/61738
▲私のオフィスにも飾っています。ご覧いただけます。
【アーティスト(Ricardo Gonzalez)リカルド・ゴンザレス氏がNYから生出演!!】
今話題の“ストリートアート”最前線!
激動の時代!バンクシーをはじめ、世界のストリートアーティストがいま伝えたいこととは?
「 It’s a living 」
〜ニューヨークの最新アート&ライフスタイル情報〜
2022 年 2 月 19 日(土)11:00~12:00
ゲストはこのお二人です!
Apple や Nike などのグラフィックデザインを手掛ける注目のアーティスト、Itʼs a living こと(Ricardo Gonzalez)リカルド・ゴンザレス氏&戸塚憲太郎氏(hpgrp GALLERY TOKYO ディレクター)。
*堂上さんもご登場されます!!是非ご視聴ください!
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2022年02月06日掲載
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